名鉄名古屋駅には、わずか3面2線しかないのだ。上下各1線と、真ん中のホームは降車と特急やミュースカイ(全車指定)など、特別車の乗降客用に使用している。つまり、名鉄名古屋駅には上下合わせた2本の線路しかないのだ。この2本の線路で、これだけの乗降客をさばいているのだから、朝夕のラッシュ時は想像を絶する慌ただしさである。

 列車は1~3分間隔で発着している。なにしろ11路線の列車が1つのホームに乗り入れているので、行き先がそれぞれ異なっている。それをさばくわけだから大変である。

 これには、名鉄名古屋駅ならではの工夫がある。どの駅でも乗車位置は決まっているが、名鉄名古屋駅では乗車位置が、列車の系統ごとに少しずつずらして設けられている。乗客は行き先別に並ぶことになるので、ホームに長蛇の列ができることは滅多にない。

 また、真ん中のホームを降車専用にしているので、列車の入口が乗り降りする人でごった返すこともなく、人の流れはスムーズだ。ただ、これだけ複雑な駅なので、不慣れな人はまちがいなく迷うだろう。どこに並べばいいのか、右往左往している人の姿をよく見かける。その対策として、他の駅に比べ多くの駅員を配備している。

リニア新幹線が開業すると
今のままではパンク必至

 では、なぜ大都市の玄関駅にもかかわらず、このような小規模な駅を作ってしまったのだろうか。

 名古屋鉄道は名岐鉄道と愛知電気鉄道という2大潮流からなる鉄道であり、この2つの路線はつながっていない。そこで、名古屋市内で分断されていた東部線と西部線をつなぐため、地下に建設されたのが名鉄名古屋駅なのだ。

 すでに近鉄名古屋駅は建設されていたし、近い将来には市営地下鉄も建設される計画だったので、十分なスペースを確保することができなかった。そのため、現在のような狭い地下空間に駅を建設せざるを得なかったのである。東部線と西部線の直通運転が開始されたのは、1948年になってからのことである。

 名鉄名古屋駅には、中部国際空港行きが頻繁に運行されている。近い将来、リニア中央新幹線が開業すると、名鉄名古屋駅の果たす役割はますます大きくなってくる。それなのに、3面2線のホームで機能するはずがない。

 そこで2021年現在、名鉄名古屋駅の拡張計画が持ち上がっている。まず、中部国際空港行き専用ホームを設けることが最大の課題である。