中国の「金ぴかの時代」の終わりPhoto:PIXTA

 中国共産党は、「共同富裕」を政策目的に据え、企業に寄付を求める方向を打ち出した。格差是正のためには、本来は税制を活用すべきだが、それができないからだ。

 民主主義国では寄付が十分か否かを判断するのは市場だが、中国では国(共産党)が判断する。したがって、企業をコントロールする手段として使われる可能性が高い。企業や富裕層がこれに怯えるのは十分理由がある。中国に対する投資は重大な転換点を迎えたといっていい。

「小康社会」実現を名目に
「共同富裕」が現実の政策目的に

 習近平国家主席は、8月17日、経済問題を協議する重要会議、中央財経委員会で、「共同富裕は社会主義の本質的な要求」と表明した。「共同富裕」とは、貧富の差をなくして、すべての人が豊かになることだ。

 この考えは、今初めて出てきたものではない。