Q:飼い主にとっては不安になる情報ですが、犬は感染しやすいのでしょうか。かかりにくいのか、かかりやすいので気を付けるべきなのか、知りたいところです。

A:心配だと思いますが、犬は感染しづらいので、外の散歩などは人が集まるところを避けて行えば問題ないでしょう。

 単純に比較はできませんが、2021年7月の段階で、世界中で新型コロナウイルスに感染したヒトの累計は1億9000万人を超えていますが、犬や猫の感染例の報告は数例に留まっています。

Q:犬以外の動物の感染例はあるのでしょうか。

A:感染が確認されたのは犬だけではありません。OIEは、動物が新型コロナウイルス感染するかどうかのリストを公表してしています。

 リストには、動物に感染があるのか、それは自然感染かそれとも研究室で行われた実験で感染が確認されたのか、感染しやすいのかどうか、感染した場合には、何かしらの症状が見られるのか、他の動物やヒトへの感染があるのかどうかが記されています。例えば、身近な動物の猫は感染しやすく、猫同士でウイルスが広まりやすいことがわかっています。

Q:ペットから人に感染することもあるのでしょうか。

A:さほど神経質になる必要はないと思います。OIEによれば、現段階では、新型コロナウイルス感染症は、ヒトからヒトへのものであり、ヒトの身近にいる動物の中には感染するもものがあるが、それらの動物からヒトへの感染は認められていません。

 ただし、身近に存在する動物ではないが、デンマークでは、ヒトから感染したとされるミンクから、再度ヒトへの感染が認められています。でも、これが現在のところ、唯一の動物からヒトへの感染例ですね。

Q:私たち飼い主がペットに感染させてしまわないかも心配です。

A:ヒトから動物へは感染の可能性がありますが、その数はわずかで、そのほんどが身近な感染者からのもの。ペットへの感染をできるだけ防ぐためには、飼い主が自身の感染予防対策をすることが最も大切ですね。

 感染予防を図りながらも、犬の健康のために散歩や運動は重要です。飼い主が自身の感染予防対策をする上でも、犬の感染をできるだけ防ぐためにも、人が多く集まるところは避けたほうがいいでしょう。

 散歩や屋外での運動時には、犬に必ず引綱(リード)でつないでおくようにすれば、不意に他人に近づいたり、落ちているマスクを咥えたり、その他想定外の危険なできごとから犬を守ることができます。

 飼い主同士の立ち話は避け、通行人や他の犬との距離を十分に保つように心がけましょう。また、帰宅後は、飼い主は自分の手洗いを行い、犬のリードの消毒等、感染対策を必ず行うようにしてください。

 もし、新型コロナウイルスに感染したヒトと濃厚接触がわかり、かつ、ペットの体調が悪くなった場合には、動物病院に、まずは電話で相談することです。