また、現在コロナ禍でマスク生活が続いていることも影響し、視線の集まる目元が気になってサロンに通い始める人もいるという。

「実は目元の印象をつくっているのは眉毛です。平安時代の女性が、眉毛をすべて抜いた上に楕円形の眉を墨で書く“まろ眉”にしていた理由の一つは、相手から感情を読み取られないようにするためとされています。それだけ眉毛は、相手に自分の印象を決めさせる重要なパーツであり、お手入れ次第でイメージを大きく変えることができるのです」

似合う眉毛の形に整えると、顔の印象は大きく変わる似合う眉毛の形に整えると、顔の印象は大きく変わる 提供:プラスエイト

美容院などと異なる
眉毛サロンの施術

 そもそも社会人男性のなかで眉毛の手入れをする人が増えてきたのは、いつからなのだろうか。

「2000年代前半からです。女性の社会進出が進み、職場で女性と一緒にいる時間が増えたことで、女性からの視線を気にして、身だしなみの一環として眉毛を整える男性が徐々に増えていきました」

 眉毛サロンで行う施術の平均価格は、1回5000円ほど。眉バサミや電動シェーバーを用いる美容院や自宅でのケアとは異なり、サロンの場合はワックスを使用した脱毛を行う。はじめに眉の形を決め、はみ出る部分の毛を毛根から引き抜くので、最低でも1カ月は、施術時と同じ状態をキープすることができる。脱毛した部分と毛を残した部分のコントラストで眉毛が立体的に見えるため、眉の薄さに悩む人にも有用だという。

 また、佐々木氏の運営する眉毛サロンでは、眉毛ケアの専門学校で考案された“眉学”を取り入れ、蓄積されたノウハウや理論に基づき、個々の顔の骨格にあった眉毛のデザインに力を入れているそうだ。

「本当に自分に似合う眉を理解し、自力でスタイリングすることは、プロでも難しいと言われています。顔の筋肉のつき方には左右差があるので、眉を左右対称に整えればいいというわけでもありません。眉毛のケアに慣れている人ならば、サロンで整えた眉を自宅で再現できますが、大半の人にとってはなかなか難しいようです。1度訪れた方のほとんどが、プロに眉を託す価値を実感し、通い続けています」

 実際、佐々木氏の店舗では、月間3000人に及ぶ利用者のうち約85%をリピーターが占める。

 ところで、眉毛サロンに行くことによって、どれほどの変化がもたらされるのだろうか。