毎日忙しすぎてヘトヘト。限られた時間の中、どのようにすれば自分の仕事のパフォーマンスを最大化できるのだろうか。医師と経営者とコンサルタントの「3足のわらじ」をはき、マルチタスクをこなす裴英洙(はいえいしゅ)先生に、医学的・経営的・MBA的3つの視点から、超多忙でも効率良くミスなく高い質で仕事をこなす秘訣を伺いました。
マルチタスクをミスなくこなす3つの法則
現在は現役医師として、そして医療機関再生コンサルタントとして日々医療機関の経営支援に従事している私ですが、かつては外科医として大学病院に勤務していました。そんな私が外科医として手術に明け暮れていた頃は、実にハードな毎日でした。
緊急の患者さんの飛び込み手術も多く、いわゆるマルチタスクの中で、常に優先順位は入れ替わり、重要度や緊急度も変わるという日々。もちろん、手術にミスや失敗は許されません。何が最優先か、それは患者さん以外何者でもありません。また、チームでの仕事となりますので、仮に自分だけが優秀でも意味がなく、いかにチームのパフォーマンスを上げていくかが課題でした。
・どれも重要でどれも優先度が高くて、失敗は許されない
・しかも同時多発的に次々と飛び込んでくる仕事
これにいったいどう対応すればいいのか。
ミスや失敗が許されない中で、日々重大な決断を下し続けた経験から、次の3つの法則を編み出しました。
1.すべての仕事に優先順位をつける。ただし「常に変動するもの」とする
2.「いざ!」というときに最大のパフォーマンスが出せるよう、あらゆる準備をしておく
3.ミスや失敗を未然に防ぎ、「ばらつき」を極力なくす方法を身につける
この法則は忙しいビジネスパーソンの皆さんにも、そのまま適用できると思います。
マルチタスクを失敗なく効率良くこなす、そんな「いいとこどり」なやり方ってあるの? と、疑問に思われた人も多いでしょう。さっそく具体的な方法も交えながら説明していきます。
まずは、すべての仕事の
「優先順位」を決めてしまう
「すべての仕事に優先順位をつける」、すべてはここから始まります。
同時にさまざまな仕事を行う必要があっても、当然ながらカラダは1つです。となると、1つずつ着手していかざるを得ません。どんなにたくさんの仕事が同時多発的に舞い込んできたとしても、必ず、時間を取って、すべての仕事に優先順位をつけましょう。「この忙しいときに面倒だな」と思うかもしれませんが、急がば回れです。結果として、「次にやること」を頭に入れながら動けるので、早く、確実に、漏れなく、仕事が片づきます。