ポイントは「ざっと&複数」見る
ここでのポイントはあくまでも「ざっと見る」ことと「軸を複数持つ」こと。複数の軸で見たとしても、ざっと見るのは5分とかかりません。
自分でするにはどれくらい必要か、他人の手を借りる必要があるのか、借りるならばどれくらい他人の手が必要か、などの必要労力をざっと把握するという感じです。
たとえば、営業マンは一日の仕事の計画を立てるときにスケジュールを眺めると思います。その際に、「このクライアントは手ごわいから時間がかかる」「この常連さんは挨拶だけだからすぐ終わる」「今日のスケジュール3番目にあるプレゼンは企画の集大成だから、上司の最終確認をもう一度行い、余裕を持って現場に到着しておこう」などと考えるはずです。そうすると、時間の配分、上司や先輩のヘルプの必要性、モチベーションの持っていきかた、食事を取る時間、などの自分のスケジュールの動線が見えてきます。
事前に心づもりをしておくのと、心づもりをしておかないのとでは、現場での焦りがまったく異なります。
「勝負タスク」か「消化タスク」か、考える
最も分かりやすい「軸」は「時間の軸」「集中力の軸」だと思います。
タスクの大まかな必要時間をつかみ、このタスクは勝負タスク、あのタスクは消化タスク、などと集中力の配分を想定することで、自分の資源配分を事前に調整します。
人間は長時間、集中力を持続することはできません。集中力にも緩急をつけることが必要です。
このように軸を変えながらタスクを眺めることで、仕事に取り組む自分の力加減や時間配分をコントロールできます。人の資源(体力、脳力、集中力)は有限です。無駄なく無理なく自分の資源を効率的に配分し、サクサク効率よく、そしてミスなく仕事をこなしていきたいものです。
次回は、「努力の配分方法=手抜きの極意」について解説します。(12月4日更新予定)
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