阪急うめだ本店が11月21日(水)、ついにグランドオープンを迎えました。本連載第2回(前編)では店のハード面とサービス面に焦点を当てました。今回の後編では同点の最大の魅力である売場とMD(マーチャンダイジング:商品政策)の特徴をまとめたいと思います。

H2Oリテイリングは業績上方修正

10月25日の二期棟先行オープンは、大成功だった
Photo:Diamond Weekly

 10月25日の2期棟先行オープンの結果は、百貨店業界関係者を驚かせました。2000人が行列を作り、20万人の来館者があり、“初日”売上高が約18億円というスタートとなったからです。2011年3月3日にオープンした博多阪急のオープン“初月”売上高が約30億円でした。

 オープン6日間の数字を見てみると、売上高は前年同期比の約2倍、来店客数は2.2倍の100万人でした。非常に好調なスタートだったと言っていいでしょう。

 予想以上の好調をうけて、阪急百貨店の持ち株会社であるH2Oリテイリングは、平成25年3月期の連結売上高予想を5350億円と20億円増の上方修正を発表しました。

 11月21日(水)のグランドオープン後はさらにたくさんのお客で賑わうことでしょう。

 この数年、百貨店の凋落ぶりには心配させられてきました。売上高は対前年比で落ち続け、小売業界の盟主としての風格も存在感も霞んでいました。そこへ、阪急うめだ本店がオープンし、業界にたれ込めていた重苦しい空気を、ぱっと明るくするニュースをもたらしてくれたのです。

 阪急うめだ本店はもともと、さまざまな部門で日本一の売場を持っていた店でした。それが、今回のリニューアルで、これまでにも増して強烈な売場を作り上げ、筆者は圧倒されました。同時に、同店を支える従業員のための後方設備にも画期的な工夫が見られました。

 この成功の裏にあったのは、いったい何なのでしょうか。