ペイパルPhoto:123RF

ペイパルが買収したPaidy
後払い決済のメガベンチャー

 米決済大手のPayPal Holdings(ペイパル)は、後払い決済サービスのPaidyを約27億ドル(3000億円)で買収することを公表した。筆者は、Paidy創業期(旧社名:株式会社エクスチェンジコーポレーション)に役員として、代表であるラッセル・カマー氏(以下では、筆者と同氏の関係も考慮して「ラッセル」と呼ぶ)を始めとする仲間たちと苦楽を共にした。Paidy買収のニュースは、現在イタリアに在住するかつての同僚からのメッセージで知った。

 Paidyは、後払い決済(Buy Now Pay Later)サービスを提供するフィンテックベンチャーだ。ベンチャーと言っても、伊藤忠商事の持分法適応会社であり、2021年3月にはシリーズDラウンドで1億2000万ドルと、日本の未上場企業としては過去最大級の資金を調達した。そして今では、時価総額10億ドルを超えるユニコーン企業の仲間入りをしたメガベンチャーだ。Paidyは上場も噂されていたが、PayPalへの売却を選択したことになる。

 後払いサービスとしてのPaidyは、クレジットカードがなくても飲食店やアパレル店やECサイトで買い物ができ、後でコンビニや銀行振り込みで支払うサービスだ。現在では、若い世代を中心に600万人ユーザーを超えている。