サクラ商品を避けるにはどうしたらいいのか

 サクラレビューが一番多いと思われるジャンルは、イヤホン、ヘッドホン、スマートウオッチ、非接触体温計、モバイルバッテリーといった小さな電気製品だ。これらの製品は、製造するメーカーも、パーツのサプライヤーも中国にたくさんあり、先行商品を模倣して簡単に製品を作れる。また小さいものは日本など海外に送りやすい。製造・販売ともに新規参入が容易と考えられているのだろう。

 モバイル扇風機、セルカ棒(簡易ジンバル)、小物の家電製品、ハリウッドミラー(小型の化粧鏡にLEDが埋め込まれているもの)といった、ほぼ中国製品で占められているようなジャンルは、サクラレビューが多い。逆に、エアコン、洗濯機、冷蔵庫など、重くて大きいもの、製造するのも流通させるのも大変なものにはサクラレビューは少ない(例外として、なぜか掃除機はサクラレビューが多い)。

 とはいえ、ECサイトを見て、イヤホン・ヘッドホンを買わなければならないこともある。そんなときにサクラ商品をつかまないようにするにはどうすればいいのだろうか。慣れてくると、どの製品にサクラレビューが多いかなんとなく分かってくるようになるが、以下、簡単な見分け方をお伝えする。

 まず、評価が極端に分かれる製品は疑うべきだろう。レビューが星5と星1しかない、といったケースだ。

 サクラは大体無理にでも最高評価を付けることになるが、そのレビューを見て買った人からは、反発のように極端な低評価レビューが付きやすい。こうしたものは、少々危険がある。

 レビューの内容も気を付けて読みたい。サクラレビューの中には「値段の割にはよくできている」などの理由で☆5つだったり、☆の数の割に必ずしも手放しで褒めてはないレビューが多かったり、☆5つのレビュー同士で内容が矛盾をしていたりすることもある。このような製品は無理によく書こうとして失敗した例なので手を出さないのが無難だ。

 また最近では、AIを使って製品レビューがどの程度サクラレビューに汚染されているか見分ける「サクラチェッカー」なるサイトもある。このようなサイトを参考にして、カテゴリの中から「サクラ度」の低い(つまりユーザーレビューにサクラのいない)製品を買うようにするのもありだろう。

「サクラチェッカー」による「Bluetooth イヤホン」のサクラ度チェック。サクラ度90%以上の製品がゾロゾロ Photo:Satoshi Yamato「サクラチェッカー」による「Bluetooth イヤホン」のサクラ度チェック。サクラ度90%以上の製品がゾロゾロ並ぶ Photo by S.Y.