時間分散でリスクが減る

　株式投資の際に気をつけることは、銘柄分散（いろいろな銘柄を買う）と時間分散（一度に買わない）である。投資信託で多くの銘柄に投資したとしても、たまたまそのときが株価の高いときであったとすれば、買った銘柄の大半が値下がりしてしまう、といったことが起きかねないからである。

　したがって、購入すべき投資信託の金額を決めたら、それを一度に買うのではなく、時間をかけて少しずつ買うべきである。そうすれば、高いときも安いときも買うことになるので、平均的な値段で買うことができる。

　大儲けが狙えなくなるが、大損のリスクも減るので、老後資金の運用には向いているといえるだろう。

　具体的には、毎月一定額の投資信託を購入する「積み立て投資」が便利で良かろう。金融機関に頼んでおけば、自動的に毎月一定額を買ってくれるはずだ。

　積み立て投資のメリットは、時間分散ができることだけではない。投資を始めようと思っても、「もう少し株価が下がったら始めよう」と思っているうちに時間が経過してしまい、結局いつまでも始められないという人も多いが、積み立て投資ならそうした心配はない。

　積み立て投資であれば、何百回も購入することになるので、たまたま最初の数回が株価の高いときだったとしても、損失は限定的である。そう思えば「思い立った日が吉日だ」と考えて気楽に積み立てを開始することができるだろう。