目の前の相手に意識が飛びやすくなっても、太ももに置いた手のぬくもりを感じることが意識を自分に向けるのに役立ちます。
たとえ緊張しても、「あ、今、手に力が入ったな……」と感じるだけで、相手の話にのまれなくなります。
自分の世界に少しでも浸れると、浸った分だけ「安心」できます。
傷つきやすい人は無意識のうちに警戒心を強くしてしまうところがあるので、自分の世界に浸ることで、自分で自分に「安心できる場」をもたらしていきましょう。
安心貯金をしよう
自分の心の陣地に戻って自分の世界に浸ることができると、気持ちが落ち着きます。
少しずつ冷静さや考える力が戻ってくる段階です。
自分の「安心できる場」で育てた安心感を、私は「安心貯金」と呼んでいます。
安心貯金は、たとえば寒い日に温かいお茶をゆっくりいただいて、ホッとする、といったことでためることができます。そんな小さな安らぎの時を意識したり、一日の終わりに「今日はこんないいひとときがあったなあ」と振り返ったりすることで、あたたかな気持ちになることを日々繰り返していくのです。
他にも、次のようなごく簡単なことで安心貯金をためることができます。
・洗濯物をたたんでいるときに、タオルに顔をうずめる
・洗いたてのシーツの上にゴロンと寝転がる
・冷房がきつい室内で、大きめのふわふわとしたブランケットをはおる
・家族が家にいるときに、ひとりでトイレに入る
傷ついてしまってショックな状態にあるときには、ブランケットにくるまって窓から空を眺めることで安心を取り戻すことができるでしょう。
こうした安心貯金をするメリットは、2つあります。