元東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児医師(古賀整形外科院長)元東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児医師(古賀整形外科院長)

ちょっとした動作でイタタタ……と、ぎっくり腰を起こした経験はあるだろうか。安静を保つことは大切だが「寝ていること自体が治りを早くするわけではない」と、腰痛治療のエキスパートとして知られる元東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児医師(古賀整形外科院長)が指摘する。前回は慢性腰痛を緩和するストレッチを紹介したが、今回はぎっくり腰などで起きた腰痛を改善し、再発を防ぐ体操を紹介する。自身も腰痛持ちであった近藤医師は、この体操ですっかり治ったという。(取材・執筆/ジャーナリスト 笹井恵里子)

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突然のぎっくり腰
原因を特定できないことも

 ふと気を抜いたときの動作で、腰に負担がかかって急性腰痛の発症、いわゆる「ぎっくり腰」になってしまうことがある。

 筆者は経験したことがないのだが、前回記したように周りの編集者でぎっくり腰になった人は複数人いるし、取材先のある内科医も「ある朝、ちょっとした動作で腰に激痛が走り、動けなくなった」と打ち明けてくれた。

「しばらく道路のコンクリート上にうつぶせになるほどの痛みでしたが、ゆっくり動いて勤務先の病院に行きました。痛みが引くまでコルセット生活を送り、少しずつ運動する習慣を身に付けました。すると、いつの間にか腰が痛まなくなったのです」

 腰痛治療のエキスパートとして知られる近藤泰児医師は、「多くのぎっくり腰はX線やMRI検査をしても、加齢性の変化が見られるだけで、痛みの原因となる変化を特定できないことが少なくない」と説明する。

「原因として考えられるのは、腰の筋肉の肉離れ、椎間関節のねんざや損傷、軽い靭帯(じんたい)の損傷、椎間板の線維輪の亀裂、骨粗しょう症による小さな圧迫骨折などです。重いものを持ち上げただけでなく、ちょっと腰をひねった、中腰になった、顔を洗う、靴下を履(は)くなどの日常的なものでも引き金になってしまいます」