本社ビル

 本社を「珠洲市」に移すと表明したとき、社内では「珠洲市ってどこ?」「読み方も分からなかった」という社員も多かったのが事実。石川県といえば金沢市、能登半島は有名でも、「珠洲市」(すずし)といってすぐその位置がピンと来る人は、少ないかもしれません。

 そんな石川県珠洲市は、過疎化と高齢化が進む、いわゆる「消滅可能性都市」。1990年頃に3万人だった人口は、現在1万3500人、2040年には6600人にまで減少すると試算されています。現在の高齢化率は50%、高齢者の数が年々増える一方、子供の数は年々減っています。平均所得は(いろいろな計算方式がありますが)約245万円、日本に1718ある自治体の中で1538位といわれています(2021年6月現在)。

 そんな場所に東証一部上場企業が本社を移すなんて、常軌を逸しているように見えるでしょう。実際に2020年の秋、珠洲市長に本社移転の申し入れに行ったときには、ちょっと怪しまれました(笑)。

本社機能移転の概要