組合員の不満が爆発?
臨時総会開催の実情

 組合員の同意を得る方法としては、臨時総会を招集する「目的」を示し、署名で同意を集めるのが一般的だ。

 Bの「監事」が臨時総会を招集する場合、管理組合の業務監査や会計監査において、違反や不正が認められることが招集の目的になるケースが多いが、Cの「組合員(総数の5分の1の同意)」によって臨時総会を招集する場合は、その目的として、たとえば理事長や理事の解任(場合によっては監事の解任)を請求したり、通常総会で可決された議案の取り消しや変更を求めることが考えられる。

 私がお付き合いさせていただいているマンションでも、大規模修繕工事の業者選定において、修繕委員会がA社という会社を提案していたところ、通常総会の際に理事会が修繕委員会の提案を無視し、業者の候補としてB社を議案にあげて可決してしまったことから、それを不服とした修繕委員会側とそれに賛同した組合員(=区分所有者)が、5分の1の同意を集めて臨時総会を招集した、というケースがあった。

 また、管理会社の管理業務に不満を募らせた組合員たちが、管理会社の変更を求めて、5分の1の同意によって臨時総会を招集したケースもあり、数はそれほど多くはないものの、私もこの組合員による臨時総会の開催に遭遇した経験がある。

 このように、マンションの管理・運営や理事会の方針に対して、不満や不信の念を持つ組合員が多くいる場合には、自分たちの要求を訴えたり、問題を解決したりするための手段として、臨時総会の招集を考えてみてもいいだろう。

 ただし、実際にこの組合員による招集で臨時総会を開催するのは、ハードルが高いことも事実だ。臨時総会の開催を実現させ、かつ議事進行を優位に進めるためには、知識とテクニックを持っていることが重要だといえる。