理事会Photo:PIXTA

マンションが抱える諸問題に対処するには、管理組合の「意思決定の最高機関」である「総会」を経て解決することが求められる。今回も引き続き、理事会以外の区分所有者にも招集の権限がある「臨時総会」について解説する。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

組合員の5分の1の同意があれば
臨時総会を招集できる

 前回の記事『あなたも招集できる!マンション管理組合「臨時総会の威力」(上)』で詳細を説明しているが、「臨時総会」を招集できる権限は、A理事長(理事会)、B監事、C組合員(総数の5分の1の同意)の3者にある。今回はCについて見ていきたい。

 組合員による総会招集権については、マンション標準管理規約では次のように規定されている。

第44条 組合員が組合員総数の5分の1以上及び第46条第1項に定める議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の目的が建替え決議であるときは、2カ月と2週間以内の日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない。
2 理事長が前項の通知を発しない場合には、前項の請求をした組合員は、臨時総会を招集することができる。

 ちなみに、この「組合員総数の5分の1以上」「議決権総数の5分の1以上」という定数は、規約によって減ずることができるため(区分所有法第34条第3項)、たとえば、規約で総会招集に必要な定数を「10分の1」などと引き下げることも可能だ。マンションによっては、この定数を5分の1以外に定めている場合もあるので、自分のマンションの管理規約を確認しておく必要がある。

 なお、区分所有法では定数を規約で減ずることしか認められていないため、定数を「4分の1」や「3分の1」などと引き上げることはできない。