NTTは極端な「対面依存」を減らし
「組織の地方分散」を目指している

 そしてもうひとつ強調しておきたいのが、全国に260拠点のサテライトを設置するということは、新たな働き方のスタイルとして対面を否定しているのではなく、逆に対面は業務プロセスの中で重要だと言っているのだということです。

 いくら業務のインフラをクラウドベースにして、業務プロセス全般にDXを導入したとしても「対面が大幅に減る」ぐらいが適正であって、「対面ゼロ」は逆に非効率です。今回打ち出した「紙使用の廃止」と違って、極度にデジタル化しないほうがいい業務もたくさんあります。

 要するにNTTがやりたいことは、これまでの極度に対面に依存した働き方で結果として東京に大量の社員が集中する仕組みから、地方へと人材が分散できる仕組みを作りたいということでしょう。これは日本の大企業にとって新しい考え方であると同時に、DXの時代には実現可能なガバナンスです。つまり非常に面白い策をNTTは打ち出してきたのだと思います。

 さて、このように働き方を変えるため、NTTはもう一つの施策を打ち出しました。新しい業務インフラ方針としてNTTは組織の地方分散をぶち上げたのです。本社の間接部門を含めて首都圏の組織を地方の中核都市へと分散させるというのです。

 これが実際にどれくらいの規模で行うことができるかどうかが、NTTが新たな経営スタイルへの変革を成し遂げられるかを測る試金石になりそうです。その難しさを挙げようと思えばいくらでも挙げられるのですが、この記事では期待感を込めて、この目標が達成できたらNTTの働き方がどう変わるのかを考えてみましょう。