アフガニスタン国旗Photo:PIXTA

アフガニスタン20年戦争終結
米軍撤収で祝う思惑は裏目に

 アフガニスタンの駐留米軍の最後の軍用機が8月31日未明(現地時間)、離陸し20年にわたる駐留が終わった。

 その5日前の26日には、「イスラム国」の残党であるISIS-Kが仕掛けた爆弾テロが起き、タリバン支配の復活を恐れて国外に脱出を図る人々が押し寄せたカブール空港周辺で多くの人々が殺された。トランプ政権とタリバンとの撤収合意以降、犠牲者を出していなかった米軍兵士も数多く死者に含まれていた。

「カブール陥落」の混乱の映像を見るアメリカ人の脳裏には、300万人のベトナム人が犠牲になり、米兵も5万人が命を失って敗戦し、サイゴンから撤収した46年前の自分たちの姿がつらくよみがえっていたのではないか。

 アフガニスタン侵攻の契機になった「9.11テロ事件」の20周年を米軍撤収で派手に祝おうとするバイデン大統領の思惑は裏目に出て、支持率は急落した。

 米国は「史上最長の戦争」を終わらせたが、改めて「失敗」の意味を考えさせられることになったはずだ。