サッカー界のレジェンドの交錯、35歳で岐路に立った本田と長友Photo:Etsuo Hara/gettyimages

共に3度のW杯に出場した35歳のレジェンド、本田圭佑と長友佑都が9月に入ってさらに対照的な道を歩んでいる。日本代表を引退して3年になる本田は、今年前半をプレーしたアゼルバイジャンに続いてリトアニアのクラブへ加入し、森保ジャパンでも引き続き主軸を担う長友は古巣FC東京へ約11年ぶりに復帰した。日本を長くけん引してきた2人が見せる、熱い生き様の源泉を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

中学時代に対戦していた本田と長友

 元号がまだ昭和だった1986年。本田圭佑は6月13日に大阪府摂津市で、長友佑都は9月12日に愛媛県西条市で生まれ、共に小学校低学年でサッカーを始めた。

 2人のサッカー人生が初めて交わったのは2001年夏。本田が所属していたガンバ大阪ジュニアユースと、長友が通う西条市立北中学が練習試合を行った。

 実力は明らかにガンバが上。さらに手を抜かれての完敗に、長友は愛媛へ戻るフェリーで号泣。当時の高校サッカー界の横綱、東福岡高校への越境入学を決意する。

 程なくして本田も大きな挫折を味わう。ガンバ大阪ユースへ昇格できず、周囲に捲土重来を誓って、やはり石川県の星稜高校へ越境入学。プロを目指して成長を続けていく。

 U-23日本代表として共に戦った2008年の北京五輪を経て、トップカテゴリーの日本代表で2人が初めて共演したのは翌年1月のバーレーン代表戦だった。

 それまでに本田は星稜から名古屋グランパスを経てオランダのフェンローへ移籍。長友は東福岡から進んだ明治大学の卒業を待たずして、FC東京へ加入していた。