「技能実習3号」「特定技能」の資格取得者が増加

 長引くコロナ禍で、「技能実習3号」の取得者が急増し、また、出入国管理庁によれば、「技能実習」から「特定技能」に在留資格を変更した在留外国人も直近1年間で6倍近くに増えている*10 。これは、いったいどういうことか?

*10 出入国管理庁ホームページ「特定技能在留外国人数の公表」より

岡﨑  「技能実習2号*11 」から「技能実習3号」への移行が可能な監理団体は、全体のおよそ半分ほどのようです。移行可能な方は、「技能実習3号」を目指すケースと3号に移行せずに「特定技能」への移行を望むケースがあります。一方、監理団体によって3号への移行ができない方は、国内に残って「特定技能」を目指すか、(2号での)実習を終えて帰国するかのどちらかになります。そうした選択肢で、「技能実習3号」になる方と「特定技能」になる方が分かれていくのです。たとえば、建設業や農業など肉体的に厳しい仕事で3年間の実習を行い、3年で自国に帰ると思っていた方がコロナの影響で帰国できず、「よし、同じ仕事を続けて頑張ろう」という思いにはなかなか至らず、「特定技能」を目指す場合は、飲食料品製造といった“屋内での仕事”や“イメージが楽そうな仕事”を求める傾向があります。このあたりにおいても、イメージで仕事を選ぶのではなく、実際にどのような環境でどのような仕事内容なのかを知ったうえで、希望をしてくれる方が増えると良いと考えます。

*11 「技能実習制度の区分は、入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2・3年目の技能等に習熟するための活動(第2号技能実習)、4年目・5年目の技能等に熟達する活動(第3号技能実習)の3つに分けられます」(公益財団法人 国際人材協力機構ホームページ「技能実習制度の区分と在留資格」より)

 BtoBとしてのプラットフォーム「Linkus」は、監理団体、登録支援機関、受け入れ企業などが利用し、今年2021年の8月には、技能実習から特定技能を一気通貫でオンライン管理できる機能を実装するなど、日進月歩の進化を続けている。また、BtoCの側面では、現在、2000人以上の外国人が「Linkus」のアカウントを持ち、就労のための情報源やSNS的なツールとして活用している。コロナ禍の影響はどうか?

岡﨑 プラットフォームの開発を決めた翌日に緊急事態宣言が発令されたような状況だったので、私たちの事業に「コロナ以前」はなく、コロナ禍でしか動いていないのですが、ただ、同じコロナ禍でも、海外での感染の広がりや飛行機の運航状況の変化などによって、さまざまな影響を受けています。海外の居住者や送り出し機関が「Linkus」に登録しているケースは減りました。また、一方で、帰国便がフライトしないことで自国に帰れない外国人の方が多くいて、「仕事をしたい」「職を探している」という声が増えています。