まだ認知されてない「特定技能」への向き合い方
技能実習や特定技能制度で外国人を雇用している企業・団体は、まだ、国内のほんの一角でしかない。「情報の少なさ」がその理由のひとつと考える岡﨑さんは、多くの人が、制度そのものを正しく知っていくことが重要だと言う。
岡﨑 「特定技能」についての説明を、私たちの活動のひとつとして広く行っていく必要があると思っています。その一環で、私もオンラインセミナーなどでお話しさせていただいています。外国人の採用をしたことがない企業さんは、特定技能制度を含めて分からないことばかりです。この夏は、ある大手旅行代理店さんと一緒に宿泊業界向けのセミナーをさせていただきました。セミナーに参加された方のなかには、外国人の採用方法をある程度理解している方もいれば、「まったく分かりません」という方もいます。1回のセミナーで何かが大きく変わるわけではありませんが、まずは「特定技能」がどういう制度なのかを知っていただき、「我が社でも制度を活用できそうだな」と考える方が増えていくことを目指したいです。
セミナーのトークで、岡﨑さんは「誰でも、外国人をすぐに採用できる」という言い方をしないように気をつけている。
岡﨑 特定技能制度はこういうルールですが、それとは別に、雇う側には○○の心構えが必要ですよ、とも伝えています。たとえば、日本人の従業員が外国人を同僚として迎え入れるための心構えなどです。宿泊業界向けのセミナーにご参加いただいた方は、ホテルや旅館のオーナーさんから支配人クラスまで、人事に関しての決裁権がある方が多かったですね。しかし、外国人をすでに雇っている方は半分もいなかったようで、雇っている方も、現在は留学生などがメインだったので、「特定技能」の認知はまだまだだと実感しました。宿泊業に関して言えば、インバウンドのマーケットが復活しないと外国人の就労は増えません。ですから、こうしたセミナーには、アフターコロナを見据えて準備しておきたい方々が集まられます。