メモリーチップ銘柄は新型コロナウイルス感染の波に乗って最高値を更新した。その波が頂点に達した今、各社は谷あいを乗り切る方法を考えなければならない。韓国のサムスン電子は事業の多角化と市場の支配力をてこに、大半のメーカーよりうまく乗り切れるかもしれない。メモリーチップ関連株は今年のピークから大幅に値下がりしている。サムスンは1月から21%下落しているほか、SKハイニックスも2月のピークを37%下回る。それでも、両社は依然として好調な業績を報告している。サムスンは8日、7-9月期(第3四半期)売上高が過去最高の610億ドルに達し、営業利益は3年ぶり高水準になるとの暫定決算を発表した。懸念されているのは、パソコンやスマートフォンなど電子機器の旺盛な需要が終息に向かうことだ。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)のスポット価格は4月以降、右肩下がりだ。サムスンのような大手サプライヤーの売上高はスポット価格がベースとなるるわけではないが、スポット価格の下落は、いずれ契約価格にも影響を及ぼしかねない。市場調査会社トレンドフォースは今期のDRAM契約価格が前期比で3~8%下落するとみている。