ひろゆきが語る「匿名掲示板をなくせば社会はよくなるのか?」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

悪口を書き込む体験

 みなさんは、ネットに悪口を書き込んだことはありますか?

 実名アカウントでは書けないことも、匿名の鍵アカで悪口を吐き出したりしたことがあるかもしれません。お酒を飲んで夜中にネットを開き、カッとなって書き込んだこともあるかもしれません。その場合は、翌朝、冷静になって削除したりするのですかね(笑)。

 2ちゃんねるに勢いのあった2000年代から比べると、今やインターネットはより身近な存在になりました。不特定多数の人がアクセスするサイトも増え、コミュニティ運営は、より困難になっている印象です。

誹謗中傷はなくなるのか?

 誹謗中傷は、今後、もっと目に触れることになるでしょう。では、匿名で書き込みをする掲示板などをなくせば、誹謗中傷はなくなるのでしょうか?

1%の努力』という本にも書きましたが、ツールはあくまで「道具」です。「ハンマー」も「ナイフ」も「包丁」も「チェーンソー」も、それらは道具です。しかし、凶器にもなり得ます。

 あなたが包丁やハンマーを買うときに、凶器として使わないことを約束させられるでしょうか。おそらくされません。

 また、ある事件で包丁が凶器として使われたとしても、「世の中から包丁をなくせ!」「その包丁を作った職人も逮捕されるべきだ!」と言う人がいるでしょうか?

 もしいたら、僕に紹介してください。どんな考えを持っているのか、じっくり話を聞いてみたいものです。

 なので、サイトをなくすことではなく、使い方を教え続けるしかないと思っています。

 匿名で誹謗中傷を書き込んだとしても、IPアドレスをたどれば個人は特定されます。「褒める」とか「感謝する」というポジティブなことを積極的に発信したほうが、メンタルヘルスにもよいです。

 そういう当たり前のことを積み重ねていくしかありません。

悪口がクセになる前に

 会社で悪口を言っている大の大人に対して、「悪口はやめなさい」とわざわざ注意することはありません。人が離れて行ったり、機嫌が悪くなるリアクションを受けて、徐々に自分で気づくしかありません。

 ということで、悪口を書き込むクセは、大人になってからはみっともないのでやめるようにしましょう。思いついても、ちょっと飲み込んでみてください。あるいは、友達とかに直接話してみてゲラゲラ笑うネタにしてみてください。そのほうが、よっぽどあなたの人生を豊かにすると思いますよ。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。