ほどなく、2棟目候補として5000万円ほどの物件が見つかりました。法人として買いたいと、最初の物件を購入した地元地銀に持ち込んだところ、不動産賃貸業の新設法人に融資した前例がないとのことで、「法人で実績をつくってから来てください」と断られました。

 新設法人で物件を買いたいのに実績をつくってからということは「鶏が先か卵が先か」ということになるのですが、引き下がりました。

メインバンクに断られたものの、
救世主、現れる!

 そこで、県外の地銀ならば先例があると思われるので門前払いされないだろうと、県外の地銀の県内支店に飛び込み(誰の紹介でもなく本当の飛び込み)で行ったところ、偶然にも非常に熱心かつ優秀な担当者に巡り合い、それまでまったくの無縁で個人口座すらなかったのに、新設法人で新規取引をしてくれることになりました。

 物件本体と諸費用全額で5000万円を超えるオーバーローンを受けることができました。この時点で、法人の手持ち資金は当然ゼロ、個人でも1棟目購入時の500万円にすら満たない手持ち資金でしたが、融資を受けることができ、本当にこの地銀と担当者には感謝しています。

 こうして法人の実績ができたこと、手持ち資金の増加のスピードが上がったこと、3棟目以降の物件もいい物件を厳選して持ち込んでいったことで、フルローン、オーバーローン、もしくはフルローン+諸費用の一部という「フルローン以上オーバーローン未満」の融資を受けて、物件を買い進めることができました。また、この過程で取引金融機関を拡大していくことができたのも規模の拡大につながりました。

 僕はこれまで、ほとんど手持ち資金を出していません。物件を買うたびに、買った物件の家賃から得られるキャッシュフローが上乗せされていき、その状況で次の物件を買っていったので、手持ち資金は増え、その結果、さらにフルローン、オーバーローンが出やすくなりました。

 とにかく手持ち資金を使わず、できるだけ条件のいい融資を受けることが、短期で物件数を増やし規模を拡大するポイントです。「言うは易し」と思うでしょうが、物件探しと金融機関の開拓、そして金融機関との交渉をやり抜くことで結果が出ると思います。