安定した資産運用として注目されている不動産投資。最近では、サラリーマンの傍ら不動産投資を行い、数年後に早期リタイアを実現する人も現れている。『東大博士が書いた石橋を叩いてでも成功したい人のための「不動産投資」大全』の著者は、どのようにして不動産投資を始めて、資産を増やしていったのか。
実体験の紹介
まず節約をして資金をつくる
僕の実体験の概略を書きます。
僕の父は早くに亡くなっており、その時点で母は専業主婦だったので、大学院進学時にはお金があまりありませんでした。大学院ではいい成績を取り続けることで授業料免除、さらに返還不要の奨学金で乗り切ったのですが、大学への就職時にはまさに預貯金はゼロに近く、また、授業の準備やら研究やらで忙しく、不動産経営をするなんて思いつきもしませんでした。
年間給与が一般的に想像する大学教授の給与をはるかに下回る金額(2020年の日本人の平均年収くらい)でした。そもそも大学教授になるには普通は大学院に行かねばならず、大学院在学中は学費がかかり、その間は収入がないのに生活費はかかります。しかも就職がかなり遅くなるため、生涯年収を考えれば、給与が高くないと釣り合わないのですが、実際はそうではありません。とくに資産もなく、僕にあるものと言えば、地方のさらに田舎の実家(築古)のみという状況でした。
なお、あまり知られていませんが、論文などの原稿料は基本的にありません。自分の存在証明として書くか、頼まれたとかノルマとかで書くものが多いです。本を出しても専門書は売れませんし、そもそも出版自体してもらえなくなってきています。研究費ももらえればラッキーというレベルです。
そして、僕が不動産投資を考え出すまでの間に500万円ほど貯まったのですが、これは特別なことをしたわけではありません。大学の近くに部屋を借りていたので家賃はかかりましたし、車がないと生活できないので車も買いました。ただ、それ以外はまったくお金を使わない人間だったので貯まったとしか言いようがありません。
携帯電話は持たず(不動産経営を始めて、やむなく持ちました)、背広などは量販店で買い、私服は安売り店の季節末セール時に500円くらいで買います。時計は時間が分かれば十分です。外食もせず、間食もしません。飲み代もかからず(大学教授は、飲み会はほとんどありません)、旅行は面倒なのでしません。友達はほとんど結婚しているので友達付き合いもありません。
地方だとギャンブルはパチンコくらいですが、たばこ嫌いのため行きません。何が楽しくて生きているのかと言われればそれまでですが、仕事のほかにすることといえば、テレビを見たり、ゲーム(安売り)をしたり、本や漫画を何度も読み返したり、さらに眠ることで日々は過ぎていきました。