◇ウェブメディアで書くために、やるべき3つのこと

 自分の専門分野を生かして、書く仕事をしたいのであれば、自ら行動を起こそう。編集者の方から依頼の連絡をしてくるケースは稀だ。記事を書いてみたいメディアに「ライター募集」の文字があれば、そこに企画を送ってアプローチするとよい。応募の際には、「自身のプロフィール」「書きたい記事のタイトル(企画)5本」「実際に作成したサンプル原稿」を送る。

 まずはプロフィールを魅力的に見せなければ、企画を見てすらもらえないだろう。ここで専門性を示し、他のライターとの差別化を図ろう。そして、その媒体のランキングを参考に、話題のテーマを選出し、媒体に合った企画タイトルを5つ作成する。最後に、作成した企画タイトルの中から一番自信のあるものを選び、1000字程度のサンプル原稿を執筆する。この3つを「ライター募集」の窓口に送り、返信を待つ。

 2週間ほど待って返信がなければ不採用と考え、次のチャンスにむけて準備を進めよう。企画の使用基準は、ライターの知名度にかかわらず公平だ。あるメディアで需要がなくても、他のメディアに刺さることは多々ある。あきらめずに継続してチャレンジすることで、執筆機会を得ることもある。

◇ウェブライターのお金事情

 ウェブのライティングには、記事に名前が出る「署名あり」と、名前がでない「署名なし」の2種類がある。「署名あり」の記事は専門家の立ち位置で書く。自分の好きなことが書けるメリットがあるが、内容がおもしろくないと容赦無く切り捨てられる。「署名なし」の記事は裏方として活躍する仕事だ。クライアントからの注文を忠実にこなすプロフェッショナルであり、高い文章力を必要とする。専門知識があると高い報酬も得られる。炎上のリスクがなく、特殊な専門性をもっていれば仕事が途中で途切れることがないのがメリットだ。しかし、自分が書きたいことを書くことはできない。また、ライターとして有名になりたいという人は物足りなく感じるだろう。

 ウェブライターは気軽になれるぶん、報酬はさほど高くない。単価の高い仕事もあるが、執筆にはそれなりの実績が必要だったり、定期的に仕事が発生するとは限らなかったりする。ライター業で生計を立てている人はほんのひと握りだ。ライターとして独立するならば、生活の保証がある状態で始めることを著者は勧める。

 ライターは、人気になれば原稿料が上がり、本の執筆ができれば印税収入も見込める、夢のある仕事でもある。軌道に乗れば、同年代の会社員と比べて、2倍以上の収入を得ることも可能だ。息長くライターの仕事を続けるには、一つのジャンルに固執せず、書くことを継続する努力をすることが重要だ。