コロナ禍で加速した「仕事の可視化」。DXの一つであるテレワークは、仕事をしている人としていない人をくっきりとあぶり出した。企業内で吹きだまる“働かないおじさん”にとっては、ますます居場所がなくなる状況になっている。ただ、その多くはかつて現場でバリバリ活躍したビジネスパーソンたちだ。そこで今回は、ダイヤモンド・オンラインの大ヒット動画特集『マッキンゼー流!DX革命』(全7回)から、抽出したエッセンスを特別公開する。マッキンゼーの「DX成功方程式」を参考に、働かないおじさんからDXパーソンへの進化の道を探っていこう。(ダイヤモンド編集部 羽富宏文)
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働いていないことがバレバレの
おじさん社員がコロナ禍で続出
みなさんの周りにも一人は必ずいるのではないか。ダイヤモンド・オンライン2020年3月30日配信号でご紹介した特集『本当は怖い働き方改革』(全9回)の#1『隠れ「働かないおじさん」がテレワーク強制で次々あぶり出された理由』で登場したのは「ノートPCの電源ケーブルを会社に放置したまま“在宅勤務”を続けたおじさん社員」だ。同記事から少し引用しよう。
オフィス机の上にある少し埃をかぶったパソコン(PC)の電源ケーブル。この黒い物体をにらみながら、若手社員はつぶやいた。
「この人、絶対仕事してないでしょ」
電源ケーブルの持ち主は、大手石油元売り会社の中高年社員。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、会社は社員たちにテレワークを促した。これを受けて、このおじさん社員も在宅勤務にシフトしていた。
自宅で仕事をするには、会社支給のノートPCが欠かせない。在宅勤務の社員たちは当然、ノートPCを持ち帰っている。このおじさん社員もノートPCはかばんに入れたが、電源ケーブルをオフィスに忘れてしまった。これでは家で仕事にならないはずだ。
ところが、本人がそのことに気付かないまま1週間以上、電源ケーブルはオフィスの机に置きっ放し。先に気付いた席の近い社員たちが、彼の机を冷ややかに見やる日々が続いている(引用ここまで)。