英グラスゴーで10月31日に開幕した国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。地球温暖化対策を話し合うこの国際会議に向けて、世界の指導者たちの間では二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロに抑制する対策に支持が拡大してきた。しかし、その一方で、排出量の実質ゼロを目指すことに経済的メリットがあるのか、という扱いの難しい問題が浮上している。それは科学的問題であると同時に経済的問題でもあり、経済的側面は科学的側面よりもずっと不明瞭だ。最近まで、複数の経済モデルの計算では、気候変動は経済成長に打撃を与えるものの、世界の気温の上昇幅を2度以内に抑制したり、CO2排出量を実質ゼロにしたりするための巨額の費用(コスト)を正当化するほどではないという結論が出ていた。世界で最も名の知られた気候問題に関する経済学者でノーベル賞受賞者のウィリアム・ノードハウス氏の経済モデルも、これに含まれる。
温暖化ガスの大幅削減、対策強化の損得勘定は
国連気候会議COP26が開幕、地球温暖化コストは考えられていたより大きいとの研究も
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