米中が貿易戦争の真っただ中にあった2019年、中国は米国産液化天然ガス(LNG)の輸入をほぼ完全に停止した。ところが、中国は現在、過去最大量のLNGを米国から購入している。中国が一転して米国産LNGの輸入拡大に動いた背景には、世界的なエネルギー不足の問題がある。また中国が石炭火力発電を減らすことで、炭素排出量の抑制に取り組んでいることも要因だ。数年ぶりの大規模なエネルギー不足により、中国政府は工場の稼働短縮や一部都市での停電を余儀なくされた。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に伴って中国製品に対する外需が上振れしたことに加え、気候変動対策としての石炭からLNGへのシフト、一部地域で降雨不足から水力発電の供給に支障が生じたことでエネ不足に陥った。
中国が米国産LNGを爆買い、貿易戦争から一転
エネルギー不足と気候変動対策で、米国からの輸入は過去最高
有料会員限定
あなたにおすすめ