米国の住宅市場を変革すべく奮闘するHOMMAの日米混成チーム。一番左が創業者の本間毅氏米国の住宅市場を変革すべく奮闘するHOMMAの日米混成チーム。一番左が創業者の本間毅氏

 米国の住宅に革命を起こすべく、建築と居住性における独自のデザインに、スマートホーム技術を融合し、「住宅のテスラ」を目指している日本人がいる。2008年からシリコンバレーに住む本間毅氏だ。本間氏が創業したHOMMAは、先日15億円の資金調達に成功し、創業してから通算35億円の資金を集めている。

 テスラと同様、HOMMAには既存の住宅を改良する発想がない。まずユーザー体験(UX)から住宅を設計する。その際には、先にソフトウエアのプラットフォームがあり、そこに住宅を構成するハードウエアがぶら下がる発想だ。

 建て売り販売が軌道に乗れば、HOMMAが持つデザインとスマートホーム技術のプラットフォームを外販できるので、事業のスケールアップが期待できる。

 シリコンバレーで成功する日本人起業家は稀有だ。そんな中で、本間氏は果敢に前に進む、数少ない日本人起業家である。

 私は20年前、テスラの総帥イーロン・マスク氏に会って、その後ペイパルで大成功することになるフィンテック事業について議論したことがある。マスク氏は情熱と自信にあふれていたが、肩の力が抜けた独特の雰囲気をまとっていた。今の本間氏には、当時のマスク氏と似た雰囲気が感じられる。事業創造に対する情熱と自信、明確なビジョンを持っているからだろう。HOMMAの大成功を期待せずにはいられない。