若者が悩んでいるという。仕事、恋愛など。悩むのは若者の特権だと言いたいが、悩んでいる本人はそんな特権など放りだしたいだろう。

 私のところにも悩みの相談がある。丁寧に答えたいと思うのだが、著者と読者の関係では十分なこともできない。今回は、そういう悩める若者の質問に答えつつ、幾つかのキリストの言葉を提示して、少しでも元気になってもらおうと思う。

 さて、若者の悩みを聞いていると、自分たちの時代と違うのは(こんなことを思うのは自分が年を取ったせいかもしれないが)、総じて傷つき易いということと、傷つきたくないと思っていることだ。

 さらに付け加えると、失敗したくないという気持ちが強い気がする。人より上手くやりたいというのではなく、とくにかく失敗したくないという感じだ。だから失敗したり、他人から何かを言われるとすごく傷つき、その挙句は自殺に至る不幸もある。

 ところで私は、マラソンをする。42.195キロを走るスポーツだが、人生にもたとえられる過酷なスポーツだ。

 しかし、完走した時の喜びは何物にも代えがたいので、今のところ続いている。

 このマラソンを利用して、若者の悩みに答えてみよう。

走ることで繋がる

質問:なかなか他人とうまくコミュニケーションがとれません。だから恋愛もできません。消極的な性格をなんとかしたいのですが。

答え:マタイによる福音書の7章7節に「求めなさい。そうすれば与えられるであろう。捜しなさい。そうすれば、見つけるであろう。たたきなさい。そうすれば、開かれるであろう。だれでも、求める者は受け、捜す者はみつけ、たたく者は開けてもらえるのである」という有名な一節があります。

 まず求めなさいということです。