コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES、くら寿司、カッパ・クリエイトの「すし」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
カッパ・クリエイトが
四半期減収となった理由とは
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のすし業界3社。対象期間は21年5~9月の直近四半期(くら寿司は21年5~7月期、その他2社は21年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)
増収率:14.3%(四半期の売上収益621億円)
・くら寿司
増収率:16.0%(四半期の売上高360億円)
・カッパ・クリエイト
増収率:マイナス3.5%(四半期の売上高166億円)
※カッパ・クリエイトは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
すし業界の主要3社では、FOOD & LIFE COMPANIES、くら寿司が前年同期比増収、カッパ・クリエイトが減収となった。明暗が分かれた要因とは何だったのか。データを踏まえて解説する。