米中首脳会談で
対立が顕在化
アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席のオンライン会談を受け、翌日の11月17日、全国紙の朝刊には次のような見出しが躍った。
「応酬3時間半平行線」(朝日新聞)、「対立構造変わらず」(読売新聞)、「米中首脳、台湾・人権応酬」(毎日新聞)、「米、手探りの大陸間競争」(産経新聞)といった類である。どれも前日16日の会談で、米中の対立緩和に進展がなかったことを端的に表している。
オンラインとはいえ、お互いがそれぞれの国のトップリーダーになって以降、初めて顔を見ながら話す会談である。
バイデン氏は、中国のカラーである「赤」のネクタイを締め、ホワイトハウスの会議室「ルーズベルトルーム」に座り、にこやかに右手を上げた。一方の習氏も、アメリカ民主党のイメージカラーである「青」のネクタイ姿で「老朋友(古い友人)」と笑顔で返した。
冒頭だけ見れば、関係改善にいささかの期待感を抱かせたが、予想どおり話し合いは平行線で終わった。いや、対立がより顕在化したと言ってもいい。