衆院選の重要な争点は
外交安全保障政策
衆議院が解散され、10月31日の投開票日に向けて激しい選挙戦に突入した。その争点は、第6波に備えた新型コロナウイルス対策や景気全体の底上げ策が中心になる。それと同時に、安倍・菅政権時代の政治手法や「政治とカネ」の問題も問われることになる。
いずれも重要な争点だが、仮にも政権選択選挙である以上、もっと大きなテーマ、つまり、有事への備え(ウイルスや自然災害だけでなく他国による脅威に対する危機管理能力)も見ておく必要がある。その代表格が中国を想定した外交安全保障政策である。
中国の習近平国家主席は10月9日、中国で1911年に清朝が倒された辛亥革命から110年を記念する式典で演説し、「台湾統一は必ず実現する」と自信を示し、台湾にも香港やマカオに適用した「一国二制度」を導入すると宣言した。さらに「台湾は内政問題であり、他のいかなる干渉も受けない」と強調した。
台湾の蔡英文総統はすぐさま、「圧力に屈することはない」と反論した。容認すれば台湾が第二の香港になってしまうのだから当然である。
その台湾と友好関係を結んでいる日本やアメリカとしては、台湾統一の動きが具体化するまでに、備えを万全なものにしなければならない。
今回の衆議院選挙は、そのかじ取りを誰に任せるのかを問う選挙ともいえるのである。