ムゲン食堂でも、テーブルオーダーによって大幅な業務改善につながったという。口頭注文と比較して、スタッフが1~2人減っても対応できるようになった。また客側から見ても、「すみませーん」と大声で店員を呼んで待つ時間がなくなったことで、注文ロスの削減にもつながっているようだ。

 紙のメニュー表からQRコードへ、抵抗はなかったのだろうか。谷村さんは導入当初、「QRコードでお願いします」と言うことにちょっとビビっていたという。しかし実際は、予想に反し「そういうものだよね」とすんなり受け入れられた。「非接触で注文できるなんてイマドキやな」と興味津々で使ってくれる年配の客も多いそうだ。

デジタル化で顧客動向を可視化することが
改善の手がかりになる

 オープンから1年、ムゲン食堂のLINE友だちは1万1000人と順調に増え続けている。LINE公式アカウントでは、「脱 業務連絡」をコンセプトに、新メニューやクーポンなど受け取った人がワクワクするような配信を心がけている。

 クーポンに関しては、1回の配信で2.1%の来店につながった実績も出ている。

「その頃はまだ友だちの数が少なかったのですが、これが1万人の場合、210人の来店が見込めるのかと思うとうれしいです」

 LINE公式アカウントの管理画面を見れば、開封率やブロック率がイヤというほどシビアに可視化される。谷村さんは、これらの数値をいかに改善できるか常に考えを巡らせている。現在は、開封率を上げるため、オーディエンス設計にこだわっている。まずは開封率7割を目指し、前回の配信で開封した人と、前回配信以降に新規登録した人を足して配信しているという。