米国債にとって、2021年は厳しい道のりが続いている。なかでも20年債は、一風変わった問題に直面している。20年債は昨年、1986年以来、久々に発行が再開された。政府の長期借り入れコストをできるだけ引き下げることが目的だった。だが、ここにきて投資家は、20年債に対し30年債よりも高い利回りを求めている。これは本来あり得ないことだ。投資家は通常、償還までの期間が長い債券に対し、インフレ高進や利上げのリスクへの対価として、より高い利回りを求める。しばしば長期債の利回りが短期債を下回ることがあるが(これは一般に「逆イールド」と呼ばれる)、これは投資家が景気見通しに懸念を抱いたり、利下げ観測が高まった時に起きる現象だ。