鰻の蒲焼の画像7月19日は「土用の丑の日」、本記事で紹介する「うなぎ選びの新基準」をぜひ参考にしてほしい Photo:PIXTA

7月19日は土用の丑の日。すき家、吉野家、宇奈とと、そして急成長中の「鰻の成瀬」まで、各社のうなぎメニューを徹底比較してみました。うなぎメニューの価格や量、気になる産地や安全性など、比較したい点は多いはず。しかし、それらより重要な指標が他にあるのです。それは、うなぎの「品種」です。各社に扱う品種を聞きました。ただ一社のみ「アメリカウナギ」ではなく、「ニホンウナギ」を使用していました。今年の夏、後悔しない最高の一杯を見つけるために知っておきたい「うなぎ選びの新常識」をご紹介します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

メニューを見れば一発でわかる
すき家と吉野家の「戦略の違い」

 すき家の店頭で石原さとみさんがおいしそうにうなぎを頬張るポスターが貼られる季節が今年もやってきました。毎年掲載されるこのポスター、飲食店のポスターとしては出色の出来で、とにかく鰻が食べたくなる効果があります。

 すき家のうなぎ戦略はもちろんポスターだけではありません。戦略を整理してみます。まず基本のうな丼が並盛980円(税込、以下同じ)と、諸物価高騰の折、以前よりはかなり価格も上がってきたとはいえまだまだリーズナブルな価格を維持しています。

 このうな丼並盛に乗っている鰻は実は小さくて、4分の1尾に相当する大きさに見えます。一般のうなぎ屋さんのうな重は一番小さい梅の場合で半尾になっているお店が多数派です。

 すき家の場合はサイズがその約半分。寂しいと思う半面、この価格なら明日(7/19)の土用丑の日も安価に楽しめます(記事末にすき家「うな丼」の検証画像あり)。

 とはいえこのサイズでは物足りないという人のためにすき家が戦略として用意しているのがうな牛です。うなぎ4分の1尾が丼の片側に乗っていて、もう片側は牛丼になっている。これなら空腹も満たされて価格は1190円です。