岸田文雄首相臨時閣議に臨む岸田文雄首相 Photo:JIJI

岸田文雄首相が、自民党総裁選の際に公約として掲げていた令和版「所得倍増計画」。しかし、あっという間にその「公約」は単なるメッセージにすり替えられてしまった。日本の宰相として言葉が軽過ぎると言わざるを得ない。(イトモス研究所所長 小倉健一)

令和版「所得倍増計画」を掲げる
岸田首相に厳しい視線

 えっ…たった、これだけ?

 池田勇人元首相にならい、令和版の「所得倍増計画」を掲げる岸田文雄首相への視線に厳しさが増している。

 その理由は、経済政策とは言い難いレベルにある「岸田カラー」の数々だ。小泉純一郎政権以降の新自由主義から転換し、新しい資本主義を構築すると息巻くものの、その実現に期待を抱く国民に次々と負の衝撃を与えている。

「私が掲げる令和版『所得倍増計画』の主役は民間企業です。企業に成長の果実を賃上げ等でしっかり回してもらう。また、サプライチェーンの中で、中小零細企業にも適切に分配されることを目指します。そうしたことを達成するために、大きな仕組みを構築したいと考えています」

 9月8日配信のダイヤモンド・オンラインのインタビュー記事『岸田文雄氏に聞く「所得倍増計画」の全貌、分配でアベノミクスを“進化”』で、岸田氏はこのように計画実現に向けた戦略を披露している。