「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくないのです。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、テレビでも人気の総合内科専門医・秋津壽男氏だ。体からのSOSサインに気づかず、後悔することになってしまった方をこれまでたくさん見てきたという。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全~早期発見しないと後悔する病気のサインだけ集めました』は、まさにこうした病気で後悔する人を少しでも減らしたいという想いから生まれたものだ。9月16日に発売となった本書の内容を抜粋するかたちで、日々の健康チェックに役立つ情報を紹介していく。

肝臓は「体のごみ処理工場」

 寝ても疲れが取れない……そんな症状が出た場合は肝臓の疲れが疑われます。前日の疲れは、ふつうは睡眠でリセットされます。しっかり睡眠時間が取れているのに疲れが残るなら、疲れを処理する体のシステムに問題がある可能性があるでしょう。

 疲れの処理に大きな役割を果たすのが「肝臓」です。肝臓は体中から集めたゴミを分解、解毒するところ、つまりは巨大なゴミ処理工場だと思ってください。

 体はつねにエネルギーを取り入れ、活動していて、その結果としてゴミを出しています。肝臓を酷使しすぎると、そのゴミの処理がうまくできず、処理がとどこおって、体のあちこちに少しずつゴミがたまります。結果、疲れやだるさなどの不調が出てくるのです。

 そのまま肝臓をフル稼働させ続ければ、いつかはパンクし、肝炎や脂肪肝、そして肝硬変、肝臓がんへと進行してしまう可能性もあります。疲れが取れづらいと感じるなら、積極的に肝臓を休ませてあげましょう。