コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本郵政、SGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
物流3社はいずれも増収
SGホールディングスは約2割増
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界3社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本郵政
増収率:1.4%(四半期の経常収益2兆8867億円)
・SGホールディングス(佐川急便)
増収率:19.3%(四半期の営業収益3785億円)
・ヤマトホールディングス
増収率:7.6%(四半期の営業収益4456億円)
※3社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
物流業界の3社はいずれも前年同期比増収となった。中でも、SGホールディングスは前年同期比2割弱の大幅増収となっている。
増収の要因は何だったのか。また四半期増収率はどのように推移しているのか。それらを探ってみると、世界的な物流のトレンドとSGホールディングスの好調ぶりが浮き彫りになった。次ページでは、時系列データを交えて詳しく解説する。