うつを見抜く最強の質問
「PHQ―2」とは、半月以内の状況として、
①何ごとにもほとんど興味がなく、楽しくない
②気分が重かったり、憂うつで絶望的な気持ちになったりする
この2つの質問に「はい」か「いいえ」で答えるというシンプルなものです。
何の変哲もない質問のように思えますが、単純な割に非常に精度が高く、重要な要素を凝縮した質問といえます(※3、4)。
注意点としては「PHQ―2が陽性=うつ病」とは言い切れないところです。「メンタルクリニックを受診して細かい話を聞いてもらったほうがいい段階」というイメージでとらえておいてください。
PHQ―2は「精神科医ではない医師が、うつ病のサインをレシーブして、しっかり精神科医にパスする」という目的で活躍しています。
特別な技術は不要なので、むしろ一般的に広まってもいい方法だと考えています。もちろん最終的には医者の判断が重要なので、少しでも気になることがあれば病院に行ってください。
うつ病は「脳のエネルギーが枯渇している状態」であり、本人にまっとうな判断ができない場合があります。周囲の人間からのアプローチも必要です。
自分の気分が落ち込んだとき、または近くに気分が落ち込んだ人がいるときには「PHQ―2」のチェックをオススメします。身近な人にぜひ教えてあげてください。
※1 川上憲人 こころの健康についての疫学調査に関する研究 こころの健康科学研究事業 12,16, 2007
※2 G E Simon,et al. Recognition, management, and outcomes of depression in primary care. Arch Fam Med. 1995 Feb;4(2):99 105.
※3 John W Williams Jr,et al. Is this patient clinically depressed?. JAMA. 2002 Mar6;287(9):1160 70.
※4 David L. Simel, Drummond Rennie. The Rational Clinical Examination: Evidence Based Clinical Diagnosis