Zさんのお悩みに回答!
現金は「貯蓄」すべきか?「運用」すべきか?

 相談文の文面から、夫は単身赴任しているように見受けられます。独立後はZさんも東京へ引っ越して一緒に住む予定のようです。その場合、今の職場が全国展開の会社なので異動が可能かもしれないとのこと。異動が不可能であれば退社して、派遣か正社員として別の会社で働くことも考えているそうです。つまり、夫独立後の収入は夫婦共々、いくらになるのか定かではありません。また、支出もどうなるかわかりません。

 このような状況下の資産運用では、「リスクを抑える」ことが最優先になります。

 ここで、相談文にある一つ目のお悩みに回答しましょう。もともとZさんの相談文には「今は、マイホームなどは考えず、独立資金優先で現金をためています」と書かれていました。この選択は正解です。お悩みの部分に「現金はただ貯蓄せずに運用などした方がいいのでしょうか?」という記載がありますが、リスクを抑えるには運用ではなく、現金所有が最も有効です。

 夫は独立、Zさん自身も会社が変わる可能性があるので収入が予測できないのですから、当面リスクを取った資産運用は控えるべきです。夫の収入、Zさんの収入が安定した後、言い換えれば東京に移られて家計支出が安定した後、資産運用を考えても決して遅くはありません。まして、3人目のお子さんも希望されているのですから、なおさらリスクを伴う資産運用は控えるべきでしょう。

 また、「iDeCoを始めた方がいいのでしょうか? それとも独立を待って、その後考えたらいいでしょうか?」というお悩みもありました。Zさんの会社には確定拠出年金があるのですが、夫は厚生年金のみだそうです。iDeCoも資産運用の一種で、リスクはゼロではありません。こちらも当面は控えるべきでしょう。