やりくり上手なZさん一家が注意すべき
保険の落とし穴

 最後に、加入している生命保険について気になる点を述べておきましょう。今のZさん夫婦に必要な保険は、ご夫婦の死亡保障と医療保障です。医療保障は現状で手軽な保険料で保障を得ていると思います。しかし、気になるのがご夫婦の死亡保障です。夫は現在加入している掛け捨ての死亡保障で十分です。終身保険は不要でしょう。

 相談文の夫婦の終身保険に「貯蓄タイプ」と記載があるので、貯蓄のつもりかもしれませんが、保険での貯蓄は保障が付くため非効率です。そのうえ、外貨建て保険ですから為替次第で手取り額が変わるものです。これは払い済み保険にして、浮いたお金を貯蓄に回すべきでしょう。Zさんの終身保険も同様です。

 学費用に加入している終身保険は、子どもの教育費が必要になるときに解約返戻金が払い込み保険料を上回っている(為替次第では上回らないはずです)と思いますが、一応確認してください。Zさんはせっかく家計をしっかり管理できているのに、保険に関しては販売会社の人にうまく丸め込まれている気がしてなりません。

 今回は「夫の独立」「Zさんの仕事(異動か転職か)」「3人目の子どもを出産希望」「東京への引っ越し」等々、不確定な要素が多いためこのようなの回答になりました。Zさんのお悩みに沿った回答になったか定かではありませんが、不確定要素を解消した際はぜひ、再相談を行ってください。より具体的な回答ができるはずです。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)