遺産分割の失敗例、相続は「税金」だけで考えると損します!
『ぶっちゃけ相続』著者・橘慶太インタビュー
「税金だけ」で考えると損をする事例
――今の話の「逆パターン」で、司法書士が相続に携わったとき、税金の知識がないばかりに大きな相続税がかかってしまったり……もある気がしました。
橘:そうですね。たとえば「小規模宅地特例が使えるはずだったのに、使えない分け方にした」とか、「二次相続税がすごく高くなるような分け方をした」など、「税務の知識があれば、もしくは私に相談していればこんなことにはならなかっただろうに」という残念なケースもよく耳にします。
詳細はこちら→あやうく1000万円の大損!? 相続税を知らない司法書士の話
――そうなんですね、、、!
橘:税理士も税理士で、税金のことばかり考えて、「生前に不動産をたくさん買い込んでおけば税金が安くなりますよ」と不動産を買うように勧め、その方が亡くなって、子どもが3人いて、「さてどうやって分けるんだ、1つの大きな不動産しかないぞ」となって3人兄弟の骨肉の争いを誘発したり……といったケースもあるんですよね。
――それは恐ろしいです。
橘:「本業」の知識・経験を増やしていくのが大切なのは大前提ですが、同時に「周辺知識」も増やしていかないと、「本業」の正確さそのものが脅かされてしまいます。私自身、苦い経験がありますからね。生半可な知識で仕事に当たらないように心掛けています。
【大好評連載】
第1回 税務署が許さない「悪意ある納税者」とは?
第2回 税務調査は「白旗」を揚げたほうがトク!? タイミングと伝え方を徹底解説!
第3回 遺言書は2通作ってもいい、「合法的」相続ノウハウとは?
相続争いの大半は「普通の家庭」で起きている
「相続争いは金持ちだけの話」ではありません。
実は「普通の家庭」が一番危ないのです。
2018年に起こった相続争いの調停・審判は1万5706件。そのうち、遺産額1000万円以下が33%、5000万円以下が43.3%。つまり、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。
さらに、2000年から2020年にかけての20年間で、調停に発展した件数は1.5倍以上に増えており、今後もさらに増えていくことが予想されます。
相続トラブルはなぜ起こるのか? なぜ、普通の家庭で相続争いが起こるのでしょうか?
「財産がたくさんある家庭」が揉めると思われがちですが、それは間違いです。
揉めるのは「バランスが取れるだけの金銭がない家庭」です。
例えば、同じ5000万円の財産でも、「不動産が2500万円、預金が2500万円」という家庭であれば、一方が不動産を、もう一方は預金を相続すれば問題ありません。
しかし、「不動産が4500万円、預金が500万円」ならどうでしょうか? 不動産をどちらか一方が相続すれば、大きな不平等が生じます。こういった家庭に相続争いが起こりやすいのです。
多くの方が「私たちの家庭事情は特殊だから」と考えがちです。しかし、相続にまつわるトラブルには明確なパターンが存在します。パターンが存在するということは、それを未然に防ぐ処方箋も存在します。
日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!
はじめまして。円満相続税理士法人の橘慶太(たちばな・けいた)と申します。
この度『ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』を出版しました。
私は、相続税専門の税理士法人の代表として、これまで5000人以上の方の相続相談に乗ってきました。また、これまで日本全国で500回以上、相続セミナーの講師を務めた経験もあります。
限られた人にしか伝えることができないセミナーよりも、もっと多くの人に相続の知識を広めたいと想い、2018年からYou Tubeを始めました。現在、チャンネル登録者は4.8万人を超えており、相続に関する情報発信者としては、間違いなく日本一の実績を持っています。
相続にまつわる法律や税金を解説した本は星の数ほどあります。しかし、本に書いてあることと、実際の現場で起きていることはまったく別物です。
「教科書的な本ではなく、相続の現場で起きている真実をぶっちゃけた1冊にしたい!」という想いを込めて、本書を執筆しました。
専門用語は使わず、イメージがつかみやすいよう随所に工夫をちりばめました。ただ、わかりやすさを追求しつつも、伝えるべき相続の勘所(ポイント)は一切カットしていません。この1冊で、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所といった深い部分まで学べる内容になっています。
さらには2019年、約40年ぶりに相続にまつわる法律が改正され、遺言書のルールが大きく変更されたり、配偶者居住権という新しい制度が始まったりするなど、「相続の常識」が大きく様変わりしました。もちろん本書は、この大改正に完全対応しており、変更点・注意点をあますところなく解説します。
本書を読み終わるころには、相続にまつわる網羅的な基礎知識が身につき、円満相続への準備が整うこと間違いありません。自分が今すべきことが明確になり、暗中模索だった状態から、パーッと目の前が明るくなることをお約束します。
そして巻末資料として、「知りたいことすぐわかるお悩み別索引」「いつまでに何をすべきかがわかる相続対策シート」も完備。ここを読むだけで、相続にまつわる網羅的な知識が身につき、円満相続への準備が整うこと間違いありません!
本書の主な内容
序章 相続の基本のキをぶっちゃけます!
・遺産の分け方、2つのルール
・相続人と法定相続分の超基本
・遺言書を書くときは「遺留分」に注意etc
第1章 相続トラブルをぶっちゃけます!
・認知症になったら相続対策はできない
・介護の苦労は報われない。法律の限界
・トラブル多発! 生前贈与の3つの注意点etc
第2章 遺言書をぶっちゃけます!
・こんな遺言書は無効、3つのパターン
・自筆証書遺言の4つの落とし穴
・遺言書はすべて手書きでなくてもOK etc
第3章 相続税をぶっちゃけます!
・1億6000万円の節税ノウハウ活用法
・贈与税はどんどん払ったほうがトク!
・下手な養子縁組は、かえって高くつく
第4章 不動産をぶっちゃけます!
・2億円のマンションが2000万円になる!?
・不動産の共有相続、意外な活用法を公開
・相続税を高く伝える悪徳業者の手口
第5章 税務調査をぶっちゃけます!
・最も狙われるのは「名義預金」
・111万円の贈与は税務調査を誘発する
・タンス預金はバレるのか、税務調査の実態
第6章 相続手続き・専門家をぶっちゃけます!
・弁護士、税理士、司法書士の得意分野とは
・弁護士への依頼は宣戦布告の合図になる
・税務署の「無料相談」は、実は危ない
巻末資料
・「いつまでに何をすべきかがわかる」相続対策シート
・「知りたいことすぐわかる」お悩み別索引
・おわりに 最高で最大の成果を発揮する相続税対策とは?