NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』（11/9.16放送）でカリスマ経営コンサルタントとして紹介された神田昌典氏が、アメリカで百年以上続くコピーライティング技術を日本で普及させ、はや四半世紀。第一人者、25年の集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』という468Pの大著だ。
★4つの力（判断力・思考力・表現力・発信力）が身につく【コピーライティング技術100】
★【BTRNUTSS見出しチェッカー】【PASBECONAテンプレート】【PMMサーチシート】初公開
★「どう言うか」だけでなく「何を言うか」まで完全網羅。紙・ウェブ・スマホ完全対応
★比類なき最強の教科書。第一人者、25年の集大成
神田氏は言う。「タイトルを『大全』としたのは誇張ではない。従来のコピーライティングにとどまらない広範な分野──事業戦略、マーケティング戦略から効果計測・分析、テキストデザイン、表現技術や発想法まで──総計100に及ぶコピーライティング技術を横断的につなぎ合わせ、実用しやすい体系にまとめあげるには、果てしない作業が必要となった。そのモチベーションを持続できた理由を、こっそりと明かせば、著者たちの個人的な事情がある。実は、共著者2人は、人生の先行きが見えず、大きな壁にぶちあたっていたときに、コピーライティングに救われたからだ」
第一人者の神田昌典氏と、共著者で脳性麻痺の子どものために大企業の管理職を辞し、マーケティング・コピーライターとなった衣田順一氏。今回も読者の役立つポイントを本文から抜粋して紹介する。
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前回までに、効果的な見出しは15パターンに分類されると述べた。
（1）方法提示：なんらかの方法を提示する
（2）質問：読み手に質問で問いかける
（3）問題提起：読み手が抱える問題を提起する
（4）秘密公開：読み手が知らない秘密を公開する
（5）ターゲット指定：ターゲットを指定して呼びかける
（6）仮定：仮定で読み手の想像力を刺激する
（7）勧誘：読み手を誘う
（8）新情報提供：新たな情報を提供する
（9）対比：いいものと悪いものを対比させる
（10）販売条件提示：価格や発売日など販売条件を提示する
（11）こそあど：「これ」「それ」「あれ」「どれ」など指示語を使う
（12）ストーリー：物語を彷彿とさせる
（13）指示：読み手に指示する
（14）独自性・優位性：自社の独自性や他社との優位性を示す
（15）ユニーク：型にはならないが、オリジナリティあふれる見出し
■見出しの「ゴールデンパターン15」
今回は、（8）新情報提供：新たな情報を提供する、を取り上げる。
（8）新情報提供パターン1
★型42：新〇〇
新登場、新発売、新常識、新発明、新食感、新手法
新発見、新製品、新型、リニューアル
新しい、まったく新しい、最新の
例：手づくり・数量限定 九州かぼちゃのチーズケーキが新登場！
（JR九州フードサービス株式会社）
例：動くたび、汗をかくたび、2段階消臭「ハミング消臭実感」新発売
（花王株式会社）
例：マーケティングとコピーライティングの新常識
（アルマ・クリエイション株式会社）
例：不思議な新食感 濃厚チーズ
（株式会社なとり）
例：デバイス導入の常識を変える新手法「ゼロタッチ」
（日経ビジネス電子版）
〈ポイント〉
新情報提供パターンの中でも「新しさ」を強調する型で、「新しい」＝「今までのものとは違う」ことを端的に表現。商品・サービス自体が新登場の場合と、商品・サービス自体は同じだが、位置づけやコンセプトを変えて打ち出す場合がある。
「新製品」というと、製品自体が新しくないと使えないが、「新常識」なら、商品・サービスは変わらずとも使い方やコンセプトが新しければ使える。
新しい、今までとは違うという要素は、似たような商品・サービスがあふれる今の時代に有効。ただ、みんな慣れてくると反応しなくなるので、常に新しさを打ち出すことは極めて有効だ。
（8）新情報提供パターン2
★型43：〇〇をご紹介
例：3密でも売上増のビジネスモデルをご紹介
（アルマ・クリエイション株式会社）
★型44：発表！ 〇〇
例：2021年モデル Vino＆JOG発表
（ヤマハ発動機株式会社）
★型45：ついに・とうとう・いよいよ
例：京セラ国内初の5G対応タフスマートフォン「TORQUE（R） 5G」ついに登場！
（京セラ株式会社）
例：とうとう出た！Pentium4-2GHz、1.9GHzがアキバで販売開始！
（株式会社角川アスキー総合研究所）
例：いよいよ明日、グランドオープン
〈ポイント〉
この型は、元々初対面の人を引き合わせる意味合いがあるが、そのニュアンスで新しいこと・もの・情報を告知できる。
「ご紹介」は冒頭に出ることが多いが、「〇〇をご紹介」「〇〇をご紹介します」と最後に出てくることもある。
冒頭の場合は文末に「！」をつけて使うとアクセントになるが、内容によってはふさわしくないときもある。全体のトーンとの調和を考えて判断しよう。
（8）新情報提供パターン3
★型46：証言提示
例：セコムなら、急な体調不良にいつでも駆けつけてくれる。だから、ひとりの時でも安心です。
（セコム株式会社）
〈ポイント〉
顧客の声からインパクトのある部分を、そのまま見出しに引用して使う型。これに続ける形で、顧客の生の声を入れていけばいいので書きやすい。見出し付近に証言者の写真があると、説得力は格段に上がる。
ちなみに、例文は本書40ページで紹介した「〇〇という特徴がある。だから、〇〇」というベネフィット表現を使っている。
これまで四半世紀以上、さまざまな経営者の相談に乗ってきたが、あと1ワード、1センテンス、あるかないかだけで、大きく売上が増えた社長と全く増えない社長がいた。
今回の見出しの「新情報提供パターン」で何を問い、何を問わないかをじっくり考えてほしい。
同じ商品でも「新情報提供パターン」を戦略的に組み合わせることで、大きく売上は変わってくる。
ぜひ本書を縦横無尽に活用し、この冬、一気にライバルと差をつけてほしい。
次回は、（9）対比パターンを紹介しよう。
P.S.『コピーライティング技術大全』の活用法を解説したセミナー動画をご覧いただけます。
（この動画は予告なく終了することがあります）
（本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です）
