私「今日、私はここに英会話スクールの紹介で来てるんですけど、英会話はダンスには必要ないのですか?」
彼女「いいえ、やはり本場はアメリカだし、有名なダンサーもアメリカ人だから、本当に勉強したいなら、あっちに留学した方がいいんです」
私「行かないのですか?」
彼女「英語もできない、お金もない、コネもないし……」
私「行きたいのですか?」
彼女「そりゃ行きたいです」
私「じゃあ、英語できたらもっと可能性が広がります。行きたいのならなんとかなると思うのです。一度スクールを見にきてください」
お金の話も済んで、「さぁどうします?」というとき、私はマニュアルにあったクロージングトーク(商談の最終段階でイエスかノーかを確認するトーク)の基本とまったく正反対のことを言いました。営業という立場ではなく、友人として背中を押す人になりたかったのです。そして心から彼女が英語を話せるようになった方がいいと思っていました。
私「麻生さん、このスクール、いつでも入会できます。あと、随時入れるので何人までとかいう定員もないし、教材だって、残り10個しかないとか、そんなことぜんぜんないです。だからやりたいならいつでもできます。でも、言ったように、お金もかかります。
それから教材を買っただけで夢のように話せるなんてことはありません。聞かないとだめ。スクールだって忙しい中、時間をつくって来ないとだめ。時間もお金もかかるのです。その上ね、そのご褒美として話せるようになるのは1年ほど先の話(笑)。
覚悟がいるのです。でも話せるようになりたいのなら、なんとか時間もお金もつくってやった方がいいというのは事実です。麻生さんはいつまでに海外に行ってダンスの勉強をしたいですか?」
彼女「いつまで……?」
私「そう、いつまでに……。夢って、“いつか、いつか”で期限がないでしょ?でも夢に期限を与えるでしょ、そうすると“いつまで”っていう期限ができるから夢が目標に変わるの!もっとわくわくするでしょう?ね、だからいつまで?」
わくわくして私は言いました。