Photo: VANISH STANDARDスタッフサクセスチーム Photo:VANISH STANDARD

自社ブランドの服を着こなし、すてきなコーディネートを実践する――アパレル販売員はファッション好きには楽しい仕事だが、給料が安く、人が居着かないという問題があった。そんなアパレル販売の現場をデジタル化することで、店舗スタッフをきちんと評価し、ECサイトの売り上げも上げるサービスがある。そこには“SNSで何かを宣伝する”ことの極意があった。(ノンフィクションライター 酒井真弓)

コーディネートアプリとしては後発の「STAFF START」が急成長できた理由

 バニッシュ・スタンダードが提供する「STAFF START」は、ECサイトやSNS上でのオンライン接客を可能にするB2Bサービスだ。ECサイトを持ち、リアル店舗にスタッフを擁するさまざまな小売業・サービス業を対象にしている。具体的には、店舗スタッフによるSNS投稿などをきっかけに、ECサイトでどれだけ購入されたか可視化できる。2016年のサービス開始以来、右肩上がりに成長。特に、コロナ禍で実店舗が減収を余儀なくされたここ2年の伸びが著しく、現在1600を超えるブランドが利用、年間流通総額は1200億円を超える。

STAFF STARTの特徴。コスメ、家具・インテリア、家電、食品・飲食といった小売業や、美容院、ネイルサロン、ジム・ヨガトレーナー、住宅、保険・証券などサービス業での利用を想定 Photo:VANISH STANDARDSTAFF STARTの特徴。コスメ、家具・インテリア、家電、食品・飲食といった小売業や、美容院、ネイルサロン、ジム・ヨガトレーナー、住宅、保険・証券などサービス業での利用を想定している Photo:VANISH STANDARD

 アパレルブランドでSTAFF STARTを使う場合は、洋服のコーディネートや着こなしを店員が紹介する「コーディネートアプリ」ということになる。この領域で「STAFF START」は後発だ。それでも上記のようにたくさんのブランドが利用するまでに急成長できた要因は2つ考えられる。