新庄“BIG BOSS”に社会が熱狂している。コロナで疲れた私たちの心をパッっと明るくしてくれる。明るい。ポジティブ。元気。かっこいい。人の悪口を言わない。選手全員がゼロからの競争。幸せな未来をファイターズだけでなく、われわれにもたらしてくれそうである。
一方で、『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋)が出版された。落合と選手との関係は冷たい。感情の絆はないに等しい。選手は勝つためのコマ。監督は自分の真意を語らない。いつも一人。日本シリーズで8回まで完全試合を続けていた山井投手を9回に代えた。個人の記録や思いよりもただただ勝利。冷徹な勝利至上主義の監督と言われた。そして落合の中日は強かったのに人気がなかった。