和牛ふるさと納税に関するウェブサイトでは、返礼品ランキングトップ10に必ず1~2品目がランクインするほど和牛は人気だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2021年も年の瀬を迎え、ふるさと納税の申し込みが佳境だ。返礼品で人気の和牛は、新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要もあり、今年も多数の申し込みが見込まれている。他方、日本を代表する高級食材である和牛に関しては、中国へ精液・受精卵の流出事件が起きたり、商品戦略の変更を迫られたりするなど、大きな転換期にある。(フリージャーナリスト 竹谷栄哉)

インバウンドが壊滅するも
巣ごもり、ふるさと納税がカバー

 ふるさと納税に関するウェブサイトでは、返礼品ランキングトップ10に必ず1~2品目がランクインするほど和牛は人気だ。すき焼き、しゃぶしゃぶ用の霜降り肉の切り落としをメーンに、ハンバーグなど調理品も目立つ。

 コロナ禍において和牛消費は、それ以前に頼りにしていたインバウンド需要が蒸発し、緊急事態宣言による外食制限もあったため低迷するも、政府の支援策や巣ごもり消費の増加、ふるさと納税返礼品での需要増などがそれをカバーした。特にふるさと納税は、畜産業者からすると、税金で和牛を買い取ってくれるため、経営安定化につながる。消費者にとっては実質2000円で高級和牛が手に入る上、該当自治体を応援したい感情も寄付を後押しした。