JRと私鉄各社は12月17日、2022年春のダイヤ改正の概要を発表した。前回、2021年3月のダイヤ改正では各社横並びで終電の繰り上げを実施したが、それ以外の大きな変更はなかった。しかし今回の改正は新型コロナの影響を色濃く反映したものとなった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
来春のダイヤ改正における
二つのキーワード
今回のダイヤ改正のキーワードはラッシュ時間帯や日中時間帯の「減便」と「着席列車の拡充」である。まずはJR東日本の事例を引きつつ、ダイヤ改正の背景を確認しておこう。
JR東日本の2020年4月から2021年11月まで月ごとの鉄道営業収入を見ると、定期収入は概ね20~30%減(2019年度同期比、以下同)なのに対し、定期外収入は2021年10月の約19%減から2020年4月の75%減まで、コロナの感染状況によって大きく変動している。