鉄道各社の2020年度、2021年度の鉄道営業収入を見てみると、定期収入より定期外収入の減少幅が大きいという傾向がある。これはコロナであっても鉄道を利用せざるを得ない通勤・通学利用者が一定数いるのに対し、定期外利用者は外出自粛により鉄道利用を控えたからだ。

 そのため東急電鉄や相模鉄道、京急電鉄などは2021年のダイヤ改正で既に「利用動向を踏まえた」日中時間帯の減便を行っているが、今回のダイヤ改正でも同様の傾向が見られる。JR東日本は山手線、中央線快速、常磐線、京葉線などで日中時間帯の運転本数を見直す。JR西日本は湖西線、学研都市線、和歌山線などの一部区間で列車本数を半減させる。

 関東大手私鉄では小田急電鉄が新宿~町田間、多摩線で1時間当たり3本削減、江ノ島線(藤沢~片瀬江ノ島間)は1本削減する。また同社のシンボル的存在であるロマンスカー「はこね号」も平日1日当たり45本から30本、休日は51本から39本へと大幅な減便となる(「さがみ号」「えのしま号」は増便、「ふじさん号」は土休日のみ減便)。

 西武鉄道も東京メトロ有楽町線・副都心線と直通運転する池袋線快速急行の運転区間を縮小し、有楽町線直通列車は1時間当たり2本減便する。また新宿線で2本、拝島線と国分寺線で1本減便する。一方、東武鉄道(北春日部~南栗橋間のみ日比谷線直通列車が2本減便)や京王電鉄、京成電鉄はコロナ以前の運転本数を維持しており、今後の判断が気になる所だ。